「努力論」


努力論 決定版 (中公文庫)
斎藤 兆史
中央公論新社 (2013-03-23)
売り上げランキング: 263,945

東京からの帰りの新幹線で読むために買いました。過去の偉人たちの努力が記された本。気になったポイントがいくつかあった。

■天才とは、努力をして結果を出せた人のこと

成功した人を見ると、「あの人は天才だから・・・」、「もともと頭がいいから・・・」、「彼は例外・・・」などと思ってしまう。でも、そう思ってしまった時点で、思考停止→行動ストップ→おしまい、なんだなと。

自分に能力があるかないかなんて、たぶん、自分にも他人にも誰にもわからない。やり続けた結果、成功すれば「能力があった」だし、死ぬまで成功しなければ「能力がなかった」になるだけなんだろう。そう思えば、とりあえず何かやってみようと思える。

人間の体(脳?)の能力ってすごいですよね。例えば、ナノ単位の違いを判別できる町工場の職人さんとか・・・。たぶん、その人が特殊な能力を持っているわけではなく、鍛え上げた感覚によるもので、誰でも到達できる域なんだと思う。そう思うと、大概のことは可能なんじゃねーの?と思える。

いきなりイチローとかを例に持ってこられると「さすがに無理・・・」と思ってしまうけど、身近に成功した人なら「自分にもできるかも!」と思える。IT業界で働く僕の場合には、それが雑炊さんだった(「40才未経験から再就職を果たした雑炊さん」を参照)。 

「TOEIC 900」にしても、普通は「無理っ!」って思ってしまうけど、たぶんそこに到達するのに能力なんて何もいらないはず。必要なのは、こなさなければならない絶対量だけだと思う。なので、いつかは俺も!


■努力を意識しているようではまだまだ

昔何かで読んだ言葉を思い出した。

怠けている人は、努力している人には勝てない。
努力している人は、本当に好きでやっている人には勝てない。


それと同じことが書いてありました。確かに、一日100枚デッサンするんだ!と頑張っている人と、好きで好きで寝食忘れて一日100枚描いてしまう人とでは、後者の方が圧倒的に強いですよね。

僕の場合は、残念ながら寝食忘れて没頭できる「好きなこと」なんて何もない。だから、意識的に努力するしかない。それでも、この本の著者が書いているように、努力を習慣化して「やらないと気持ち悪い」というレベルに近づけることはできるんだろうなと思う。

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高校生の頃、担任が授業中に「俺は努力って言葉が嫌いなんだ」と言ったのを、なぜか今でも覚えている。どういう真意で言ったのか、今でもよくわからない。なんとなく格好よく聞こえたのは、高校生という若さ故か。

学歴もろくな経歴もない僕にとって、武器にできるのは唯一「努力」だけ。持たざる者は、労力と時間を何か一点に集中するしかないと思う。