僕が、ニートから脱出してキャリアアップしていくために有効だと考えるステップは以下のとおり。
■アルバイト
いきなり就職を目指すのではなく、まずはアルバイトから始めるのがおすすめ。勤務時間が比較的自由に自分で決められるので(週3日からとか)、社会復帰への準備として最適なのだ。
また、アルバイトは肉体的・頭脳的なリハビリにもなると思う。僕が本屋でのアルバイトを始めた初日、ただ立っているだけで足が筋肉痛になったことを覚えている。つり銭の渡し間違いもしょっちゅうでした。長期間のニート生活で、頭も体も完全に衰えてしまっていたのだ。最初は、責任も負荷も少ない仕事から初めて、徐々に慣れていくことが必要だと思う。
そして、アルバイトで働いて心身の準備ができたら、就職活動を始めよう。履歴書の職歴欄に書くアルバイト期間は適当に水増しして、ニート期間をフリーター期間にすり替えてしまえばいいのだ。「ニートしてました」よりも「フリーターしてました」の方が、採用担当者には受け入れられやすい。
就職する会社には、その年の源泉徴収票を提出する必要があるので、アルバイトすらしていなかったら、「フリーターしてました」と言ってもバレちゃいます。
■就職活動
就職活動は、転職サイトに登録してひたすら応募するべし。当然、転職サイトによって掲載されている求人の種類も違うので、いろんな転職サイトに登録しておくのがベストだと思う。
僕自身は転職サイトがあれば十分だと感じていたので、ハローワークを利用したことはないです。
あと、スカウト制度も積極的に利用した方がいい。僕の場合は、職歴なしでもゲーム会社から2件のオファーが来た。オファーが来ると、書類選考を通過する確立が断然高まります。また、知名度の高い資格(CCNAとか)を持っていると、オファーが来やすかったりします。
■派遣・契約社員として働く
ニート期間の長さやその人の年齢にもよるけれど、僕のように6年間もニートして二十代後半になっちゃった人は、いきなり正社員として就職しようと思っても難しい。その場合には、正社員に固執するのではなく、まずは契約社員や派遣社員として会社に飛び込む方がいいと思う。
2ちゃんを見ていると、最初から正社員狙いの(しかも好条件の会社ばかり探してる)人が結構いるけど、いたずらにニート期間を長引かせてしまうだけだと思う。
契約社員でも派遣社員でも、自分が正社員として狙っている業界の仕事なら、それは職歴になる。1年の職歴があるのと、職歴なしとでは、まったく印象が違います。
また、会社のなかに飛び込んで働くことで、多くのチャンスが生まれる。僕自身は契約社員から半年後に正社員になれたし、派遣社員から認められて正社員になった人も知っている。前の会社でも、上司から、「よさそうな人がいたら正社員にスカウトしろ」と言われていたぐらいです。
「派遣なんて職歴になんないし・・・」と考えてばかりいるよりも、さくっと行動しちゃった方がいい。案ずるより生むが安し。行動することが次につながるはずです。
派遣をするなら、紹介予定派遣という正社員採用を前提にした派遣ができればベストだと思う。派遣の方が正社員よりも給料がよかったりするけど、ずるずると派遣を続けるのはよくありません。雇用の調整弁としていいように利用されるのではなく、メリット・デメリットを把握した上で、実務経験を積むためのステップとして賢く利用したい。
■IT業界で働く
僕自身がIT業界でしか働いたことがないので、基本的に他の業界のことはわかりません。それでも、IT業界は結構おすすめだと思う。理由は以下の通り。
・間口が広い(未経験者でも就職しやすい)
・人材不足で売り手市場(2007年当時は・・・)
・割と給料がいい
・コミュニケーション下手でもなんとかなる
・専門的(?)な知識が身に付く
・転職しやすい
・キャリアアップしやすい
まず、間口が広い。20代後半の未経験者をサクっと雇ってくれるような業界は、IT業界と飛び込み営業ぐらいのもんじゃないでしょうか・・・。
人材不足については、以前の記事に書いたとおり。うちの会社の上司も人集めに必死です。
給料は、結構いいと思う。「IT辞めたいけど、給料いいからなー」と留まり続ける人は結構います。
「IT業界は過酷」、「鬱になる人が多い」というイメージが一般的だけど、ぶっちゃけ会社によります。酷い会社は酷いし、楽な会社は楽。身をもって経験しました。酷い会社に入っちゃたら、さっさと転職すればいいだけ。IT業界は他の業界に比べて転職当たり前の業界なので、転職回数が多くてもあまりマイナスにはならない。
あとキャリアアップがしやすいというのも重要なポイント。監視オペレーターという職種から、CCIEという資格を取って一気にコンサルタントになった人もいるぐらいです。
この業界、下請けや客先常駐の偽装請負のような仕事が多いですが、常駐先大企業での業務経験を武器に、大企業に転職できる可能性もあります。
■転職活動
最初に就職した会社で満足できれば、それに越したことはない。でも、二十代後半の職歴なしを雇ってくれるような会社は、たいがい労働環境が劣悪だったりします。そんな会社で我慢して働いて心身を壊すよりも、1年ほど働いたらさくっと転職しちゃうことをオススメします。ひどい会社は、「正社員歴なし」から「正社員歴あり」にステップアップするための踏み台と考えるぐらいで丁度いい。
転職サイトを利用するのもいいけれど、僕は転職支援会社の利用をおすすめします。2回目の転職では、転職支援会社を利用して転職に成功した。職歴なしだと申し込んでも断られるかもしれないけど、おそらく1〜2年の職歴があれば申し込めるはず。僕は2年ちょいの職歴しかなかったけど、申し込むことができた。
転職支援会社の利用は無料です。転職支援会社を利用すると、以下のようなメリットがある。
・履歴書や職務経歴書の書き方を教えてもらえる。
・企業が一般に公開していない、非公開求人を紹介してもらえる。
・企業の労働時間や会社内部の雰囲気など、詳しい情報を教えてもらえる。
・模擬面接をしてもらえる。
・面接日の調整などを、間に入ってやってもらえる。
企業に紹介した求職者が採用になると、成功報酬としてその人の年収の3分の1程度が転職支援会社の収入になるらしい。なので、転職支援会社も結構必死になって転職を成功させようと頑張ってくれる。ただ、「どこでもいいからコイツを押し込んじゃえ」というような担当者もいると思うので、紹介された会社が自分の希望とマッチしているかはきちんと吟味する必要がある。
■外資で働く
僕のように低学歴だったり空白期間があったり転職回数が多かったりする場合、外資で働くというのは有力な選択肢の一つだと思います。
国内の大手企業では僕のような人間はまず門前払いされますが、外資ではポジションで求められる知識と業務経験を満たしていて実際に貢献できそうだと判断されれば、大手企業でも過去にこだわらずに採用してくれました。
外資は不安定・・・という印象があり、確かに営業はすぐにクビになったりしますが、SEは営業ほど極端ではありません(たぶん)。それに今は、国内企業が安定しているとも言い切れませんしね。
僕がいた外資は、国内企業と違って人間関係がサバサバしていたし、体育会系的な雰囲気や上司より先に帰りづらいといった空気もなく、飲み会も少なかった。元ニートには外資の方が向いているんじゃないかと思うぐらい。
外資に転職するために英語は必須じゃないけど、できた方が絶対に有利なので勉強しておいて損はないと思います。
■スキルアップ
「就職活動(転職活動)を頑張っているのに全然ダメだ・・・」という人がいる。もしかすると、努力の方向性がズレているのかもしれない。100社や200社の会社に応募することだけが、頑張ることじゃない。転職市場での、自分の価値を高める努力というのが絶対に必要になってくると思う。
僕の場合には、それが英語(TOEICのスコア)やIT系ベンダー資格だった。何が必要かは、自分が希望している業界によって違ってくるのでしょう。「資格があれば就職できる」というものではないけれど、少なくとも書類選考を通過する確立は高くなります。また、これが一番大事だと思うけど、意欲の高さを示すことができる。
前向きに努力する姿勢というのは、就職活動(転職活動)ではとても強力な武器になります。
ちなみに、僕は完全に独学派です。金がかからないし・・・。ITの知識に関して言えば、資格スクールに通う必要なんてありません。独学でも資格は取れるので。
■まとめ
最後に、ニートからキャリアアップしていくのに大切だと思う点をまとめてみた。
・まず行動しよう
・ステップを踏もう(例:アルバイト→契約社員→正社員)
・会社に利用されるな、利用しよう(派遣やブラックは踏み台にすべし)
・勉強しよう