ベンダー資格

今日受験したベンダー資格の問題が、巷に出回っている問題集のまんまだったことにショックを受けた。
そして思った。
ベンダー資格試験って、試験として破綻してるよなと。

 ・情報処理試験やTOEICと違って、いつでも受験できる(リテイクポリシーはあるけど)。
 ・基本的に有限数の問題をぐるぐる回して出題するだけ。

こんなんだから、問題が流出して当たり前。
「問題内容を誰にも教えてはいけない」という守秘義務があるけど、守られるはずがない。
現にどこかの会社では、試験内容を社内の受験者がばらしまくって作成した「虎の巻」なるものが出回っていた。
そもそも、こういう守秘義務を課さないと成り立たない試験という時点でおかしい(オイラは守りますけど)。

ベンダー側も、問題が漏れることなんて気にしていないから、1科目1万5千円〜なんて高額な受験料を設定しているのだろう。
受験料が「ベンダーへの上納金」と称されるのも納得できる。

そもそも、製品を作っているところが試験問題を作って、資格取得トレーニングコースを開いて・・・なんておかしい。
公正さも何もあったもんじゃない。
トレーニングコース受講者には、試験にでる事項を重点的に教えることができてしまう。

ベンダー資格のなかには、パートナー会社に一定数の資格保持者を要求し、要求数を満たせない場合にはパートナー契約を結ばないという形で受験者数を増やす仕組みになっているものもある。
まさにマッチポンプ。

そして、このベンダー資格をめぐる商売もとてつもなく怪しい。
試験問題そのままの問題を販売する海外の会社があったり、「驚異の的中率」を売りにするオンライン問題の販売業者があったり。
はては「試験問題そのままの問題」のPDFをヤフオクで違法販売(どこからが違法かわからんなってきた)する輩や、「試験問題そのままの問題」を翻訳するビジネスまで出てくる始末。

こんなベンダー資格だから、資格自体の価値や信用度も低いはず・・・。
ところがどっこい、そうでないところがまたややこしい。

就職時や転職時には割と評価されたりする。
実務経験を伴わない資格は効果も薄いけれど、それでも持っているのと持っていないのとでは明らかに違ってくる。
実務経験を補強する資格であれば言うまでもない。
現にうちの会社でも、「彼はCCNAを持っているから」などと採用担当の上司が熱く語っていたりする。
また、派遣や請負でも、資格保持者の方が売り込みやすいので、資格取得が奨励される。
なので、ベンダー資格は取得しておいて損はないといえる(会社が受験料を負担してくれるなら特に)。
もちろん、流出問題の丸暗記だけで取得しても、すぐに契約を切られるのがオチですけど。

資格を取るのも自分の身を守るため。
きちんと勉強するのも自分の身を守るため。