職歴なしで就ける職種

高卒、26才、職歴なしが就職しようと思ったとき、どんな職業に就けるのか。あまり選択肢はないように思える。当時僕に想像できたのは、

・IT系
・建築作業員
・飛び込み営業
・家電量販店の販売員
・工場のライン工

ぐらいだった。実際にはもっといろいろな職種が考えられるのだろうけど、僕の貧困な知識と想像力ではこんなものだった。これらの職種は、「間口の広そうな職種」というイメージがあったのだ。僕の場合は、たまたまやりたい仕事がIT系だったので迷わずIT系に応募することにしたのだけど、そのとき消去法で考えてもIT系だったと思う。

まず、ガテン系は体力も根性もないから無理。飛び込み営業はモロ体育会系というイメージがあったし、人と雑談すらまともにできない自分には到底無理。家電量販店の販売員は、電化製品やPCが好きな自分に向いていそうな気もしたけど、こちらもモロ体育会系らしいので無理。実際、面接を受けにいった31才無職中卒の知人(当時)は、面接官のあまりの態度の悪さにあきれたそうだ。となると、後はIT系か工場のライン工しかない。

工場のライン工は定時で帰れるイメージがあって、仕事は単調そうだけど魅力的に思えた。逆にIT系は連日深夜まで残業というイメージがあった(実際、1社目も2社目もそうだった)。それでもIT系に魅力を感じていたのは、単にスーツ姿に憧れていたのだ。作業服じゃなくスーツを着たい!と思っていた(開発系だとスーツ着なかったりするけど)。

本屋で薄汚れた制服を着てアルバイトをしていた頃、同い年ぐらいの男性が仕事帰りにスーツで本を買いにくるたび、劣等感を感じていた。スーツ姿が正社員の象徴のように思えて、何とも眩しく見えたのだ(スーツコンプレックスというやつですね)。だから、いつかは自分も・・・と思っていた。スーツ着て4年目の今ともなると、感激も何もなくて暑苦しいだけだけど。

あとは、しょーもない理由だけど、空調の効いたオフィスで働きたかった。自分、めっちゃ汗かきなもんで。これは、今でも正解だったと思う。夏は涼しく、冬は暖かい環境で仕事ができるというのは有難い。ときには、サーバルームという極寒の環境に閉じ込められることもあるけど。

2ちゃんを見ていると、職歴なしの人で事務職希望の人は多いように思う。僕と同じで「スーツを着て空調の効いたオフィスで働きたい」というのが理由なんじゃないかと、勝手に想像している。でも、男で事務職は難しそうです。女性でもなかなか事務職に就けないらしいし、そもそも事務職自体が派遣にシフトしていっている。現に、うちの会社でも常駐先の会社でも、事務職は派遣の女性がやっている。経理とかの特殊な経験や資格があれば別かもしれないけど。

何も、求人が少なく競争率も激しい事務職に応募しなくてもIT系でいいじゃん・・・と思うのは、僕が既にIT業界の毒に犯された人間だからだろうか・・・。

面接対策について

最初の会社を受けたときには特に面接対策はしなかったけれど、今の会社を受けたときには、転職紹介会社で模擬面接をしてもらった。模擬面接なのに緊張してしまい、冬なのにダラダラと大量の汗をかいたのを覚えている。

模擬面接はかなり役に立った。回答の内容だけでなく、話し方や話すときの目線なども指摘してくれて。また、その会社でよく聞かれる質問なんかも事前に教えてくれた。転職紹介会社の利用は無料なので、申し込んでみたらいいと思う。僕が就職活動をはじめた3年前は「正社員歴3年以上」という要件があったけど、今は特に要件はないようです。

面接はある程度質問が決まりきっているので、事前に回答を準備しておいた方がいい。職歴なしだと正攻法でいっても難しいので、僕だったら適当に虚実織り交ぜて回答しますね。

たとえば、僕は本屋でのアルバイト経験を最大限に生かすため、「人と関わる接客業が好きで・・・」とやたらにアピールしたことを覚えている。IT業界は内向的な人が多そうなので、ちょっとでも外交的な自分をアピールした方が採用されやすいと思ったのだ。実際は倉庫にこもって返品処理したりエロ本読んだりしてたわけですが・・・。

どれだけ準備していても想定していなかった質問というのは必ず投げかけられる。そのときにオドオドしたり完全に黙り込んだりするのではなく、しばらく考えてから、相手の目をみて思いついたことをハキハキ答えたらいいと思う。面接担当者は回答内容よりも、回答するときの声の大きさや話し方、目線の動きなどを重視しているように思える。

面接では質疑応答だけでなく、自己アピールで1,2分喋らされることもある(僕はこれが大の苦手だ)。これなんかは完全に、話しているときの挙動が不審じゃないかを観察する目的ですね。自己アピール対策は、事前に喋る内容を準備して、実際に声をだして練習するしかない。

ちなみに、僕は極度のあがり症です。大勢の人の前にたつと、本当に膝がガクガクと震えるぐらい。今年の2月に面接を受けに行ったときも、受付で担当者を呼び出すための内線をかけたときにはすでに手がブルブル震えていた。情けない・・・。ただ、面接は座って対面なので、震えはかなり抑えられるので助かっている。

あと重要なのは「見た目」ですね。「人は見た目が9割」という本があるぐらい、見た目は重要。僕は6年間もニートしていただけあって、完全にオタクのひきこもりですけど、見た目は普通の一般人を装うことができる。また、人付き合いが嫌いな根暗だけど、面接のときだけは明るくさわやかな好青年を演じることができる。実際、採用された後に、面接担当者だった人から「もっと明るくてお喋りな人だと思っていたのに・・・」と言われたことがある。面接の数十分だけ、別人格を演じられたらそれで勝ちなのだ。

服装、髪型には気を遣おう。このへんに無関心だと、ニートだとばれやすい。髪は短めでさっぱりした感じに。スーツ、シャツ、ネクタイ、靴。このへんは「ザ・スーパースーツストア」や「パーフェクトスーツファクトリー」で買うと、そこそこ安くで今の若者向けのデザインのものが買える。店員に一式選んでもらったら楽チンだ。シャツは白系が無難です。時計は安っぽいプラスチック系のデジタル時計をするぐらいならはめない。靴下は黒。間違っても白はだめ。

姿勢や挙措も大事。背筋は伸ばして座る。貧乏ゆすりをしない。体を揺らさない。顎をひきすぎて下から覗き込むように見ない。相手の目をみて話す。声は普段より大きめで(僕はボソボソ喋りがちなので、普段から何度も聞き返されますが・・・)。面接官のおもしろくないギャグには自然な感じで微笑(僕はよく笑顔がひきつりますが・・・)。

これだけできたらバッチリでしょ。本屋にいけば面接マニュアル本や社会人マナー本は腐るほどあるので、適当に立ち読みすることをおすすめします。