好きなことを仕事にする

一般的に、「二番目に好きなことを仕事にするといい」と言われている。なぜ一番目に好きなことを仕事にしないのか?以下がその理由だそうだ。

・仕事になると、自分の好きなことだけをできるわけではない。
・仕事になると、いろいろと妥協しなければならない場面に遭遇する。
・仕事になると、趣味でリフレッシュすることができない。
・だから、一番好きなことは趣味のままにしておいて、やりたいようにやるのが幸せ。

これらの理由を読むと、なるほどそうかもしれないとも思う。ただ、著名人のインタビューなんかを読んでいると、一番好きなことを仕事にして、公私ともにハッピーで充実している人というのも確かに存在する。うらやましいかぎりだ。

僕は、どうなんだろう?と考えてみる。今の仕事は何番目に好きなことなんだろう?そもそも好きなのだろうか?

職歴なしからIT業界に就職した当時は、好きなことを仕事にできてよかったと本当に思っていた。「これは天職かもしれない!」と思っていたぐらい。やってたことと言えば、単なるヘルプデスクなんだけど・・・。

ニートの頃から、パソコンが好きだった。特にハードにこだわったり、自分でプログラムをバリバリ書くということもなく、単にネットサーフィンしてただけだけど・・・。ただパソコンに触っているだけで、幸せというか、安心感を感じていた。ある種、変態だと思う。その頃は、毎日、PC Watchの記事をチェックしたりして、新製品の発表に胸を躍らせたりしていたもんです。

IT業界4年目の今となっては、「パソコンに触れているだけで幸せ」なんて気持ちは全くなくなった。IT系ニュースサイトをチェックしたりもしていない。ただ、嫌いになったわけでもなく、どちらかというと好きだと思う。

嫌いじゃないから、仕事をしていても、あまり「仕事」という意識がない。家でパソコンを触っているのと同じような感覚で仕事をしている。だから、仕事が嫌で、毎週月曜日に吐き気をこらえながら出社するという経験はしたことがない。サーバーをいじくりながら、こんなんでお金貰えるんだから楽だよなーと思うこともしばしば。

IT業界で働いている人で、パソコンなんて大嫌いで家ではメールぐらいしかしないという人も、結構いる。そういう人たちを見ていると、本当につらそうだ。

何番目に好きかということは置いておいても、嫌いなことを仕事にするより、好きなことを仕事にする方がいいに決まっている。一日、最低8時間は、それをやり続けて生きていくのだから。

好きな仕事ができるかどうかというのは、その人と仕事との相性ということもあるけれど、どれだけ選択肢を広げられるかが重要だと思う。だからみんな、いい大学を出て選択肢を広げるために、学業努力をするのだろう。僕の場合は、26才・高卒・職歴なしという身分で選べる極狭の選択肢のなかに、たまたま好きなものがあったわけで、ラッキーだったと思う。

前の会社を退職するとき、上司に「仕事なんて面白くないものだ。俺も仕事なんて嫌々やっている。みんな我慢してお金を稼いでいるんだ!」と言われた。でも、その上司の手がストレスで震え続けているのを見て、俺はそんなのはゴメンだと思った。実際、以前の監視オペレーターの仕事よりも、今の構築の仕事の方が100倍は面白い。少しでも仕事を面白くできるよう、また、面白い仕事を選べるように努力したいなと思う。