マイニュースジャパンの書評を読んで、とても読みたくなった。Amazonでの評価もとても高い本です。
http://www.mynewsjapan.com/reports/225#estimate
「頑張る」と「頑張らない」のバランスをどうとるかについて、考えることが多かったので、この本が何かヒントを与えてくれるのではないかと思った。
普通の会社員は、がむしゃらに頑張る時期を経て疲れ切って燃え尽きてしまい、「足るを知る」とか「オンリーワンでよい」という言葉にすがり、頑張ることをやめる人が多いのだろう。僕の場合は逆で、まったく頑張らないニート期間を経て、今はがむしゃらに頑張っている時期なのだと思う。
僕は、なぜ頑張ることを放棄してニートになったのか。たぶん、競争して負けて傷つくことが怖かったのと、大量消費前提、拡大成長し続けることが前提の資本主義社会で競争することに違和感を感じていたのだと思う(頭でっかちだったので)。
でも、ニートとして引きこもった結果得られたものは、心の安寧なんかではなく、気だるさと怠惰と無気力、そして将来に対する不安だけだった。
それらから逃れるために、頑張ることはとても有効だった。正社員になることができ、不安は和らぎ、気力も湧いてきた。でも、今のまま走り続けるのは正直しんどいなと思うし、いずれ燃え尽きるのではないか・・・という危機感がある。
この本の著者は、負け組みに編入されることの恐怖心や、金持ちになりたいという我欲では、いずれ燃え尽きて行き詰まると述べている。そこから逃れる方法は「他人のために働くこと」しかないのだと。つまり、無気力に陥らないために欲は必要だが、その欲の方向性を変える必要があると。
僕がこの本で「良いな」と思ったのは、「最初から他人のために働け」といった説教くさいことを言っていないこと。最初は己のために突っ走るのは仕方ないけど、それでは行き詰まり苦しくなるので軌道修正が必要になるということを、著者自身の体験を題材にして述べているので説得力がる。
己のために頑張る
↓
他人の感情も考慮に入れる
↓
無欲を志向する
↓
欲と無欲をあわせもつ(欲の方向性を変える)
自分を苦悩から救うために、こういった過程を経ることが必然だと述べているところに、著者の誠実さを感じる。
この本がAmazonでの評価が高いのも、読むと、著者の真摯さが伝わってくるからだと思う。ビジネス書のほとんどは、どこかの本に書いてあったことの切り貼りで、キーワードだけ付けたような軽い本が多い。この本も、情報的にはすでにどこかで読んだことのある情報がほとんどだと思うのだけど、読んだときにずっしりと重く感じるのは、著者の真摯さが伝わってくるからだと思う。
久々によい本を買いました。