今日は午前中に、翻訳会社にフリーランス翻訳者としての面接を受けてきた。事前にスキルシートを送付しておいたのだけど、
翻訳経験 → なし
過去の代表的翻訳物 → なし
翻訳ソフト使用経験 → なし
所有翻訳ソフト → なし
という散々な内容だったので、受ける前から半ばあきらめてました。
面接担当者はプロジェクトマネージャの男性二人だった。最初に職務経歴の説明をさせられるものと思っていたけど、そんなものはなく、面接担当者との質疑応答が中心だった。職務経歴書が翻訳者求人用に作成したものではなく、IT会社への転職用に作成したものだったからかもしれない。
面接官との質疑応答は以下のような感じだった。
Q1.今までに翻訳の経験はあるか?
→ ありません。
Q2.ボランティア等での翻訳の経験もないのか?
→ ありません。
Q3.どのような対象物を翻訳できるか?
→ マニュアルや技術関連文書の翻訳ならできると思います。
Q4.電気・通信関連の翻訳もできるか?
→ できません。IPネットワークなら基本知識はあります。
Q5.Webサイトの翻訳もできるか?
→ HTMLタグやレイアウトを気にしなくてよいのならできると思います。
(Tradosを使えば純粋に文面だけを翻訳できるとのこと)
Q6.自宅のPC環境とネット環境は?
→ WindowsXPのノートパソコンとブロードバンド環境です。
Q7.Macの使用経験はあるか?
→ 実家では使用していました。
(Mac独特のUIを理解している必要がある案件も、数は少ないけどあるそうです)
Q8.翻訳ソフトの使用経験は?
→ ありません。
(IT系翻訳の場合、Tradosを持っていないと紹介できる仕事が極端に少なくなるそうです)
Q9.Officeソフトは持っているか?
→ WordとExcelは持ってます。
(PowerPointの翻訳も多いらしいので、持っていた方がよいそうです)
Q10.普段、メールはどの程度の頻度で確認しているか?
→ 毎日帰宅後に確認しています。
(仕事の依頼後、短時間でレスポンスがあった方がよいそうです。
専業翻訳者の場合は5分後にレスポンスが来るとか・・・)
Q11.兼業となるが、平日も翻訳できるか?
→ 基本的に土日しかできません。
Q12.翻訳スピードは?
→ 1日2000ワードぐらいならできると思います。
(通常の翻訳者の場合、2000~2500ワード位とのことだったので・・・)
Q13.翻訳トライアルにかかった時間は?
→ 丁寧に翻訳したので1日かかりました。
Q14.翻訳チェッカーの仕事もできるか?
→ できると思いますが、専門分野を対象にしたい。
Q15.他の翻訳会社にも応募したか?
→ 何社か応募しましたが落ちました。
Q16.将来的に翻訳を専業にするのか?
→ そこまでは考えていません。可能性を模索している段階です。
Q17.何か翻訳の勉強をしたことはあるか?
→ 翻訳のテクニック本を読んだことはあります。
質疑応答では、「ありません」とか「できません」のオンパレードになってしまった。でも、できないのに「できる」と言うよりかはいいと思って・・・。
翻訳未経験なので不安があることを率直に伝えたら、「うちのトライアルは本当に厳しいので、合格したことを自信にしてもらっていい」と言ってもらえた。
後は現職の仕事内容についてちょっと訊かれた後、翻訳業務の具体的なフローや翻訳料金の話になった。翻訳料金は、最初はワード単価8円からスタート(チェッカーはワード単価2円)とのことでした。お金よりも、翻訳の実務経験を積むのが一番の目的だし、未経験者であることを思うと十分な単価だと思う。
また、以下のような参考になる話も聞けました。
・「語学が好き」というだけの人は、翻訳者として行き詰る人が多い。医療系の知識やIT知識など、バックボーンとなる専門知識のある人の方が産業翻訳者として伸びる。本業があって現場を知っているというのは、翻訳者として強みになるそうです。
・数日間の短期コースでもよいので、翻訳学校で勉強すると飛躍的に力が伸びるそうです。僕は独学派なんだけど、ちょっと考えてみようかな・・・。
・兼業で翻訳をしている人もいるが、翻訳を専業にして食べていけなくなってまた兼業にしたりと、そういう人が多いとのこと(やっぱり産業翻訳専業で食べていくのは大変なんでしょうね)。
・翻訳チェッカーは翻訳者とは別の能力が求められる(効率的に「てにおは」の適切さをチェックできる能力など)。翻訳に比べてワード単価が4分の1と安いので、4倍のスピードでチェックできないと割に合わない。やりすぎてしまう人(翻訳内容自体に手を入れてしまう人)は向いていないそうです。
その後、契約書をもらって面接は終了した。訊いたら、面接での合否というのはなくて、一緒に仕事をする前に会っておきたかったとのこと。緊張する必要なかったのね・・・。
最後に僕から、「今後の参考にしたいので、トライアル担当者のコメントを見せていただけませんか?」とお願いした。でも、面接官には「コメントが非常に厳しくて落ち込む人がいるので、応募者には見せないことにしている」と断られてしまった。「厳しいからこそ参考になるので・・・」としつこくお願いしたら、「トライアル担当者の許可が得られたらメールします」と言ってもらえた。修行中の身なので、フィードバックに飢えてます。
面接は30分の予定だったけど、いろいろ話を聞いていたら1時間経っていた。その後は、何もなかったような顔をして会社に行って仕事しました。
実際に翻訳の仕事が来るかどうかはわからないけど、最初の仕事で今後の全てが決まるのは確実。最初に来る仕事は、何が何でも成功させねば!