『「分かりやすい表現」の技術』藤沢晃治

スキルアップという言葉を聞いたときにIT業界で働く僕が連想するのは、仕事に直結するIT技術(知識)を身につけることだったりする。でも、本当に大切なスキルというのは、こうした専門的で瑣末なスキルではなく、「読む」・「書く」・「話す」だと思っている。

この本『「分かりやすい表現」の技術』は、上記3つのスキルのうち、「書く」・「話す」のスキルアップに絶大な効果を発揮すると思う。本の内容は、身の回りにあるマニュアルや道路標識などの「分かりにくい表現」とその改善例を提示し、分かりやすい表現のために何に気をつけるべきかを明らかにする。例を見たり読んだりしているだけでおもしろい。

巻末には「分かりやすい表現」のための16のルールが整理されていて、非常に便利。今勉強しているWindows Serverのルールなんかを覚えるよりも、この16のルールを完全に覚えた方が、よっぽど人生にプラスになると思う。表現の基本は、ルール1の「おもてなしの心を持て」、これに尽きますね。

ちなみに「読む」スキルアップのためには、同じ著者の「理解する技術」もおすすめです。ただ、この本ほどのインパクトはない。