パラサイト・シングルの時代


パラサイト・シングルの時代 (ちくま新書)
山田 昌弘
筑摩書房
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パラサイト・シングルの自分には耳の痛い(目に痛い?)本だけど、とりあえず読んでおかねばと思った。たいしておもしろくなかった。

パラサイト・シングルが毎月家に入れているお金は1~3万円と書かれていて、俺が想像していた金額よりも少なかった。それに対して、パラサイトすることによって親から受けている便益は、10万円相当というようなことが書いてあった。

著者は、パラサイト・シングル対策として、この便益に対して贈与税をかけろと主張していた。かなり無茶苦茶な主張だと思った。そもそも、便益を金銭に換算することなんて無理だし、各家庭の特殊事情を細かく考慮することもできないだろうに。

パラサイト・シングルが、一部の恵まれた者だけが享受できる生活スタイルであるという点に関しては同意です。もし、自分の実家が都市の郊外ではなくド田舎にあったら、仕事のために都心で一人暮らしするか、無職ひきこもりのどちらかしか選択肢はなかったはずだから。

この本の中で一番アホらしいと思ったのは、正規雇用が減って非正規雇用が増えたのは、楽な働き方を選択したいという若者の意識によるもの、と書いてあったこと。あまりの現状認識のひどさに、あきれた。

あと、「パラサイト・シングルは猟奇殺人犯の温床」というような意味のことも書いてあった。偏見ありまくり。