マカロンに情けを込めて・・・

今日はクリスマスイブだから出歩かないでおこうと思っていたのだが、カフェラテ禁断症状を我慢できずに近所のカフェへ。レジには、以前話かけてくれた店員さんが・・・。

「こいつ、クリスマスイブなのに一人でカフェに来てるよ・・・ウヒッ」

ぜってぇー、そう思われてる!確実に!
先生ぇ、周りのみんなが、自分を笑っているように感じるんです・・・。
だって、クリスマスイブだもの・・・。

カフェラテと一緒に、前から気になっていたマカロンを注文してみることにした。最近はスタバでもレジに置いてますよね。ここのマカロンはスタバの半分ぐらいの大きさなのに、値段は同じで200円もするのだった。


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お金を払ったあと、カフェラテを取りに行ったら、マカロンが2つお皿に載っていた。あれ?1つしか注文してないけど・・・。そう言おうとしたら、

「これ、サービスです」

との店員さんの声が。

『あっ、あわわ、ありがとうございます・・・』

またもや気の利いた一言も言えず・・・。カフェラテとマカロンを頬張りながら、第2回一人反省会を開催したのでした・・・。

店員さんは、クリスマスイブに一人寂しくマカロンを食べようとしている三十路男を気遣ってくれたに違いない。ありがとうございます!

ちなみに、マカロンは甘すぎて俺にはダメでした。外はサクッっとふんわり、中はしっとりしていて何ともいい感じなだけに惜しい。甘さ控えめのマカロンがあれば、ぜひ食べてみたい。

有能な人に負荷が集中する

NHKクローズアップ現代の鬱病の特集を観た。30代で鬱病が急増しているとのこと。原因として、人員削減で一人一人の社員の負担が大きくなっていることと、成果主義の影響が挙げられていた。深夜や早朝のメールの送信履歴が、インパクトあったな。

リストラで人を減らしておいて、残業するな、残業しても残業代は出さないじゃ、どうせーっちゅうねん!と思う。成果主義で、同僚も後輩も皆が敵という状況もつらい。昨日の外国人研修生の特集を観ていても思ったけど、ほんと企業はやりたい放題だな・・・。

これまでに3つの会社を渡り歩いてきてわかったのは、仕事のできる人に負荷が集中する、ということ。本来の裁量労働制なら、同じ量の仕事をデキスギ君とノビタの二人に与えた場合、デキスギ君は仕事が早いから毎日定時前には帰宅し、ノビタは仕事ができないから毎日終電で帰宅する。それは個人の裁量だからオッケーということになるはず。

でも、現実にはそうはなっていない。与えられた仕事を早く終えたら、そのぶん次々と仕事が割り当てられるのだ。そして、「できる人」は「できない人」の10倍ぐらいの仕事を終電までかかってこなす。

本来の成果主義なら、こういう「できる人」はすぐに出世し、工数も高くなるからむやみに残業なんてさせられないはず。でも、現実は見せかけだけの成果主義だから、せいぜいボーナスに色がつく程度で報われないし、裁量労働制で残業代も支払われない。会社は有能な人を使い放題なのだ。

仕事のできる人は、クビにならない程度にダメ社員のフリをした方がいいと思う。

本格的に干されている自分は、今日も悲愴な顔をして働いてる有能な方々を残し、「お先に失礼します!」と大きな声で挨拶して定時退社してきました。クビにならない程度にって、難しいな・・・。僕の場合は逆の意味で。

好きなことを仕事にする

一般的に、「二番目に好きなことを仕事にするといい」と言われている。なぜ一番目に好きなことを仕事にしないのか?以下がその理由だそうだ。

・仕事になると、自分の好きなことだけをできるわけではない。
・仕事になると、いろいろと妥協しなければならない場面に遭遇する。
・仕事になると、趣味でリフレッシュすることができない。
・だから、一番好きなことは趣味のままにしておいて、やりたいようにやるのが幸せ。

これらの理由を読むと、なるほどそうかもしれないとも思う。ただ、著名人のインタビューなんかを読んでいると、一番好きなことを仕事にして、公私ともにハッピーで充実している人というのも確かに存在する。うらやましいかぎりだ。

僕は、どうなんだろう?と考えてみる。今の仕事は何番目に好きなことなんだろう?そもそも好きなのだろうか?

職歴なしからIT業界に就職した当時は、好きなことを仕事にできてよかったと本当に思っていた。「これは天職かもしれない!」と思っていたぐらい。やってたことと言えば、単なるヘルプデスクなんだけど・・・。

ニートの頃から、パソコンが好きだった。特にハードにこだわったり、自分でプログラムをバリバリ書くということもなく、単にネットサーフィンしてただけだけど・・・。ただパソコンに触っているだけで、幸せというか、安心感を感じていた。ある種、変態だと思う。その頃は、毎日、PC Watchの記事をチェックしたりして、新製品の発表に胸を躍らせたりしていたもんです。

IT業界4年目の今となっては、「パソコンに触れているだけで幸せ」なんて気持ちは全くなくなった。IT系ニュースサイトをチェックしたりもしていない。ただ、嫌いになったわけでもなく、どちらかというと好きだと思う。

嫌いじゃないから、仕事をしていても、あまり「仕事」という意識がない。家でパソコンを触っているのと同じような感覚で仕事をしている。だから、仕事が嫌で、毎週月曜日に吐き気をこらえながら出社するという経験はしたことがない。サーバーをいじくりながら、こんなんでお金貰えるんだから楽だよなーと思うこともしばしば。

IT業界で働いている人で、パソコンなんて大嫌いで家ではメールぐらいしかしないという人も、結構いる。そういう人たちを見ていると、本当につらそうだ。

何番目に好きかということは置いておいても、嫌いなことを仕事にするより、好きなことを仕事にする方がいいに決まっている。一日、最低8時間は、それをやり続けて生きていくのだから。

好きな仕事ができるかどうかというのは、その人と仕事との相性ということもあるけれど、どれだけ選択肢を広げられるかが重要だと思う。だからみんな、いい大学を出て選択肢を広げるために、学業努力をするのだろう。僕の場合は、26才・高卒・職歴なしという身分で選べる極狭の選択肢のなかに、たまたま好きなものがあったわけで、ラッキーだったと思う。

前の会社を退職するとき、上司に「仕事なんて面白くないものだ。俺も仕事なんて嫌々やっている。みんな我慢してお金を稼いでいるんだ!」と言われた。でも、その上司の手がストレスで震え続けているのを見て、俺はそんなのはゴメンだと思った。実際、以前の監視オペレーターの仕事よりも、今の構築の仕事の方が100倍は面白い。少しでも仕事を面白くできるよう、また、面白い仕事を選べるように努力したいなと思う。

40才未経験から再就職を果たした雑炊さん

君は知っているか?雑炊さんを。

僕がニートの頃から常駐していた、2ちゃんねるの「無職・だめ板」に、「今日一日がんばったこと、勉強したことを報告するスレ」というのがある。そこに、雑炊さんはいた。

雑炊さんは40才。40才間近で、全くの未経験からIT業界に派遣社員のヘルプデスクとして就職。そして、CCNP取得の勉強に専念するために仕事を辞めて、毎日雑炊を食べる節約生活を続けながら、見事CCNPを取得。正社員として再就職も果たした偉人なのだ。

全くの未経験で、40才で再就職を果たしたということもすごいのだが、何より、雑炊さんの勉強量が半端じゃないのだ。「報告するスレ」では毎日の勉強時間を書き込むのだけど、無職のときの雑炊さんは、一日13時間とか平気で勉強している。同じスレに、不登校の中学生が「今日は頑張った。英語 1時間」とか書いているのを見ると、なんじゃそりゃ・・・と思ったりしたもんです。

CCNPというのは、Ciscoのルーターやスイッチの資格で、取得のためには4つの試験に合格しなければならない。僕が取得したCCNAの上位資格で、CCNPを持っていると、ネットワークに関して一通り分かっている人ということになる。

CCNPは、仕事を辞めてまで取る資格なのか?と疑問に思う人もいるかもしれない。たしかに、某Web問題集とかの流出問題を丸暗記したら、CCNPでもさくっと取得できるだろう。でも、雑炊さんはもちろん、そんなインチキな勉強はしていない。雑炊さんは、秋葉原で中古のスイッチやルーターを何台も購入し、実機を触りながら分厚い参考書をボロボロになるまで読むという、基本に忠実な勉強を続けて合格しているのだ。そんな本物の知識を身につけた雑炊さんだからこそ、再就職を果たすことができたのだと思う。

同じ「無職・だめ板」の別のスレでは、20代後半のニートが「今の俺になったのは、すべて親のせいだ・・・」なんて書き込んでいたりする。雑炊さんを知った後にこの書き込みを読んで、「お前は何かがんばってんのか?」とツッコミを入れたくなった。

僕がこのブログを始めたのも、雑炊さんみたいに、毎日の勉強の記録を残して励みにしたいと思ったから。雑炊さんの勉強量には到底およばないけれど、ブログのおかげもあって、なんとか勉強を続けることができている。雑炊さんには、希望と勇気をもらった。感謝です。

現在、雑炊さんは、CCIE(一発大逆転の資格を参照)とTOEIC 900点突破を目指して勉強中だそうです。僕も頑張らねば! 

お金・仕事・健康

今日は会社を休んだ。風邪で休むのは半年ぶりだ。夏休みもとらずに働いたことだし、1日ぐらい休んでもバチはあたらないだろう。仕事も暇で、会社行ってもすることないし。

前職で監視オペレーターをしていたときは、シフト制だったので、風邪でも休みにくかった。特に夜勤なんかでは、別の人に代わりにシフトに入ってもらわないとダメだから、まず休めない。昼夜逆転の無茶苦茶な生活リズムで働くのに、なかなか休めないというキツイ環境だった。しかも、24時間365日だから、年末年始も祝祭日も一切関係なかったし。

やっぱり、健康はとても大事だと思う。でも、健康が一番!とは、簡単に言えないっすね。お金も仕事も健康も、生きていくためには必要だから。

1社目のときのように、残業代をたくさんもらえても、睡眠時間3時間で働くのなんて、もう絶対にゴメンだ。また、2社目のときのように、夜勤手当がもらえて仕事が楽だとしても、昼夜逆転で健康が削り取られていくのを実感する仕事もゴメンだ。そういう意味で、今の常駐先での仕事はすんごく楽で、理想的。請負契約が切られそうなので、今の状態も長くは続かないのだろうけど・・・。

お金、仕事、健康。この3つのバランスを、うまくとっていくことが重要っすね。

カラマーゾフの兄弟


カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)
ドストエフスキー
新潮社
売り上げランキング: 15,956

長かったけど、ようやっと読み終わった。上・中・下巻を読むのに2ヶ月ぐらいかかったかも。読了したということに満足してます。恥ずかしながら、ドストエフスキーを読んだのはこれが初めてだ。普通は中高生の頃に「罪と罰」ぐらいは読むものなんだろうな。

カラマーゾフの兄弟を読もうと思ったのは、斉藤孝の本に「過剰な人がいっぱい出てくる」と書いてあったのと、文庫本の帯に「ダントツに面白い!」というようなことが書いてあったから。世界文学の最高傑作と称される作品なのに面白いなんて・・・と、ぜひ読んでみたくなったのだ。

で、面白かったのか?と問われると、答えに窮する。帯に書いてあるような、徹夜して読んでしまうぐらい面白い!ということはなかった。でも、いい意味で予想を裏切られた。ドストエフスキーの文学なんて、高尚で、堅くて、面白くなくて・・・という小説を想像していたのだけど、実際は全然違った。フョードルとミーチャの突き抜けっぷりがすごくて、セリフが何ともいいのだ。

もっとも、僕には文学としての価値なんてものはさっぱりわかりませんが・・・。キリスト教に親しみのない、無神論者に近い僕には、理解できなくて当然だろうと思う。

「カラマーゾフ的な」性質には、憧れる。自由奔放で、熱情的で、卑しく、そして欲望に忠実な・・・。生きるエネルギーに満ち溢れているように思う。それに比べて俺は、死んだ魚のような目をして毎日を生きております。つまんない、つまんないと言いながらね。

次は、ぜひ「罪と罰」を読んでみたい。

IT業界と鬱病

鬱。それは心の風邪とも言われ、誰もがなりうる身近な病気らしい。

僕自身は、鬱病になったことはないと思う。鬱病の特徴として、無気力、暗い、死にたいと思うこと、などが挙げられるらしいけど、そんなものは全て僕の生まれながらの属性だ。会社の同僚に、「休みの日に何もしたいと思わないんですよ。ボーっとテレビ見てるだけ。ヤバイでしょ?」と相談されたことがあるけど、僕からするとまるっきり普通(正常)です。ニート時代の6年間は毎日それだったし、今も、週末は同じ。

自分でも、「死にたい」と思うのはヤバイかな、と思っていたけど、全然種類の違うものだということがわかった。鬱病の「死にたい」は、かなり強烈な思いのようだ。それに対して、僕の「死にたい」は、消極的な思いにすぎない。「面倒くさいから死んでもいいや」、「このまま朝、目が覚めなければいいのに・・・」そんなレベルです。歯も磨かない、顔も洗わないなんて考えられないし・・・。やっぱり鬱じゃないな。

IT業界は、鬱になる人が多いといわれている。うちの会社は偽装請負をやっているけど、「心の病で二人ほど脱落したので、急遽、人を派遣して欲しい」という依頼がよく来るらしい。実際、前の会社には抗鬱薬を常飲していた人が5人いたし、心の病で手の振るえが止まらない上司というのもいた。社員数が数十人でこれは割合高すぎだろ・・・。そして、今の会社には、心の病専門のカウンセラーに相談できる制度なんかが設けられていたりする。

なぜIT業界で鬱になる人が多いのか。僕が考える理由は以下の3つだ。

1.長時間労働
長時間労働は、人の体力と気力を削ぐ。そして、不眠症にもなりやすい。不眠症になるとますます体力と気力が削がれる。この悪循環で鬱になりやすいのだと思う。

2.納期や顧客(上司)から受ける精神的重圧
開発系だとデスマーチという言葉が存在するように、人員不足の状態で短納期の仕事をやらされることが多いようだ。それが何度も何度も繰り返されると、常に期限に追われる状況になり、心はどんどん磨り減っていくのだろう。

顧客や上司から受けるプレッシャーというのも相当なものだと思う。無理難題を吹っかける顧客や、人を奴隷とでも看做しているかのような態度をとる常駐先の上司。そういう輩がウヨウヨいる業界なのだ。前の会社の同僚や上司が鬱になったのは、威圧的な態度をとる社長や上司が原因だった。たしかに、カタギには見えんかった・・・。

3.対人能力の低さ
上に書いた2点は、別にどの仕事でもいえることだと思う。それなのにIT業界で鬱になる人が多いというのは、対人能力の低さというのが原因なんじゃないかと思う。普通の人なら、ある程度の精神的重圧を受けても、うまくかわしたり、処理したりできるのだろう。または、普段から根回しなんかをうまくして、自分には精神的重圧がかからない状況を作り出すこともできるのかもしれない。でも、僕みたいに対人能力の低い奴は、逆に、精神的重圧がモロにかかるような状況を作り出してしまうのだ。

こんなIT業界で働いている僕は、なぜ鬱になっていないのか。考えられる原因はただ一つ、いい加減だから。全てにおいて適当であり、口癖は「まっ、いいか」。こんなんだからダメ社員なんだけどさ・・・。

几帳面で完璧主義な人というのは、仕事はとてもできるけれど、鬱になりやすいようだ。ある程度のいい加減さというのは、生きていく上で必要なものだと思う。僕のいい加減さも、「ある程度」に収めないとダメね・・・。

下流喰い


下流喰い―消費者金融の実態 (ちくま新書)
須田 慎一郎
筑摩書房
売り上げランキング: 436,855

消費者金融の本。おもしろかったです。

読んでいて、借金は恐ろしいということを再認識した。正直、ギャンブルのために借金したり、自分の財布と勘違いして消費者金融のATMを利用している奴は、勝手に破産してろと思う。でも、生活苦で利用せざるを得なかった人達は、救われなければならない。こういった本を読んで知識を付けることも、大切だと思った。無知だと、ほんとに喰われてしまうだけだ。

巻末に書かれていたセーフティネットの話が興味深かった。公共事業の削減で仕事を失った建築作業員など単純労働者の受け皿をどう作っていくかという話。新しい産業への転換といっても、いきなりIT業界で働けるとは思えない。しかも、IT業界に受け皿となるほどの労働力の需要があるとも思えない。。

これは、10年後のIT労働者としての自分にも言えることだ。その頃にはITなんて全くダメになっているかもしれない。下請け、孫請けという構図も建築業界と一緒だし・・・。そのとき、自分は他の仕事に就くことができるのだろうか。そのとき生き残るために、今何を身につけておくべきなのだろう。そんなことを考えてしまった。

俺自身は今までに消費者金融を利用したことはないし、これからも利用するつもりはない。でも、いつ利用せざるをえない状況に追い込まれるかはわからない。体を壊して働けなくなったら、借金するしか方法ないもんね。

毎月毎月、自分達の世代が受給できそうもない年金を払うのは馬鹿らしいと思っていたけど、障害者年金の受給資格を得られるというメリットは大きいと思った。

パラサイト・シングルの時代


パラサイト・シングルの時代 (ちくま新書)
山田 昌弘
筑摩書房
売り上げランキング: 138,160

パラサイト・シングルの自分には耳の痛い(目に痛い?)本だけど、とりあえず読んでおかねばと思った。たいしておもしろくなかった。

パラサイト・シングルが毎月家に入れているお金は1~3万円と書かれていて、俺が想像していた金額よりも少なかった。それに対して、パラサイトすることによって親から受けている便益は、10万円相当というようなことが書いてあった。

著者は、パラサイト・シングル対策として、この便益に対して贈与税をかけろと主張していた。かなり無茶苦茶な主張だと思った。そもそも、便益を金銭に換算することなんて無理だし、各家庭の特殊事情を細かく考慮することもできないだろうに。

パラサイト・シングルが、一部の恵まれた者だけが享受できる生活スタイルであるという点に関しては同意です。もし、自分の実家が都市の郊外ではなくド田舎にあったら、仕事のために都心で一人暮らしするか、無職ひきこもりのどちらかしか選択肢はなかったはずだから。

この本の中で一番アホらしいと思ったのは、正規雇用が減って非正規雇用が増えたのは、楽な働き方を選択したいという若者の意識によるもの、と書いてあったこと。あまりの現状認識のひどさに、あきれた。

あと、「パラサイト・シングルは猟奇殺人犯の温床」というような意味のことも書いてあった。偏見ありまくり。

国家の品格


国家の品格 (新潮新書)
藤原 正彦
新潮社
売り上げランキング: 22,626

これもベストセラーですね。おもしろかった。

論理も大切だけど、何より大切なのは、論理の出発点となる価値観。経済的繁栄よりも、世界から尊敬される国になろう!というのが主旨なのかな。

本のなかで、国民は馬鹿だから真のエリートが政治を決めればいい、と言い切っているのが痛快だった。

著者は「美」に重きをおいているけど、何を「美しい」と感じるかは人それぞれで難しい。こういう本はたいてい、「昔の日本はよかった」と、おじさん達の懐古趣味的な「美」の押し付けになりがちだ。絶対的な「美」、普遍的な「美」が存在するのならわかりやすいのだけど・・・。

でも、俺はどちらかというと、おじさん側ですね。ルーズソックスより紺のハイソックスだろ!と力説しちゃうし、ヤマンバギャルにいたってはどこが可愛いのか理解できんかった・・・。戦時中の、背筋をピンと伸ばして正座する、おかっぱ頭の女学生の写真なんかを見ると、もっさいけど美しいと思ったりする。逆に、駅のホームで、地べたにあぐらをかいてタバコを吹かしてる女子高生なんか見ると、汚ぇーと思う(パンツ見えるのは嬉しいが)。

女子高生に対する美的感覚も人それぞれっちゅうことです。ちなみに、これからの季節、白のセーターはポイント高いっすよね!ハァハァ・・・

■興味を持った本
「大破局」 徳間文庫
「自由からの逃走」 フロム
「武士道」

きょうの猫村さん

今日は髪を切りに行ってきた。美容室に置いてあった「きょうの猫村さん」を読む。おもしろい・・・。大勢のアシスタントやスクリーントーンを使わなくても、これだけ読ませることができるんだな。才能とは何とも眩しいもんだ。


きょうの猫村さん 1 (マガジンハウス文庫)
ほし よりこ
マガジンハウス
売り上げランキング: 14,304

その後、ブックオフに新書を買いにいく。最近、新書がおもしろい。今日は以下の新書と文庫をゲット。
国家の品格
パラサイト・シングルの時代
下流喰い
ハツカネズミと人間

ブックオフに寄ったついでに、電池交換に出していた腕時計を取りにいく。ニート時代に、俺を哀れに思った兄が五千円で譲ってくれた、キズだらけで電池切れのオメガ。2回目となる今回の電池交換の費用は4200円だった。4200円で、十分実用的な腕時計買えるよな。モノの価値って、よくわからん。

スタバでホットラテを飲んだ後にTSUTAYAに。ソニー・ロリンズのベストセレクションアルバムと、Blue Notesの名曲40曲を集めたアルバム、そして映画「インサイドマン」を借りた。Jazzの、特にサックスの音が好きだ。最近はコルトレーンばかり聴いている。次はアルトサックス奏者のアルバムを借りたい。

こんな感じの土曜日でした。

格差社会


格差社会―何が問題なのか (岩波新書)
橘木 俊詔
岩波書店
売り上げランキング: 70,736

教科書的な本で、あまり面白くはなかった。ただ、掲載されている統計の数値は興味深かった。

電車の中でこの本を読んでいたら、見知らぬ中年男性に「にいちゃん、いい本読んでるな!」と声をかけられた。きっと、俺と同じで格差社会を実感している人に違いない・・・。

階層の固定化
・医者の子は医者に、ブルーカラーの子はプルーカラーに

教育
・日本の教育に対する公的支出の割合は先進国の中で最低レベル

雇用
・非正規雇用の増大
・現在の日本社会では、一度フリーターになってしまうと、その後、フルタイマーには容易には転換できない
・一度フリーターになった者を、企業側は、勤労意欲が低く、仕事の熟練度も低い者と見なす
・国際的にも低すぎる日本の最低賃金
・最低賃金で働いている人の給料は、生活保護の受給額よりも少ない


・高所得者に有利で、低所得者に不利な制度

年金
・二十代の50%以上が年金未納

国民健康保険
・20%近くの世帯が滞納

貧困
・日本の貧困率は、先進国の中では3番目に高い。
・高齢者、若者の貧困率が高い。
・20%以上の世帯が貯蓄ゼロ。
・自己破産者、ホームレスの増加
・ニート、フリーターは、親が病気・失業・死亡した場合には、一気に貧困層に転換する。


格差社会への処方箋として、著者いくつかの案を提示している。そのなかで、職務給制度の導入というのが興味深かった。同一の仕事をしている者には、正規雇用者だろうと非正規雇用者だろうと同一の賃金を払う制度。しごくもっともな制度だなと思う。

ただ、著者の意図は非正規雇用者の賃金を上げることにあるのだろうけど、逆に正規雇用者の賃金が下がる結果になるだけなんじゃないかと思う。なぜなら、「若者はなぜ3年で辞めるのか?」という本に、日本企業の仕事は「本質的にはマックのバイトと同じ」と書かれていたから。少なくとも、俺がやっている低レベルな仕事に関してはそうだな・・・。

著者は重要視していなかったけど、規制緩和による非正規雇用の増大は、格差の原因として重要だと思う。同じ仕事をさせているのに払う給料は少なくてすむし、いつでもクビが切れる。非正規雇用の増大は、経営者側のメリットしかない。政府は経営者側の方しか向いていないのだ。

あと、サービス残業や年棒制の撤廃が必要だと思う。サービス残業で正規雇用者をただ働きさせるんじゃなく、その分ちゃんと人を正規雇用しろと。年棒制(裁量労働制)なんて、単に残業代を払わないですむためだけの制度だ。サービス残業は違法なのに、なぜこんなものが合法なのか理解できない。IT関連の仕事は、労働者に裁量権があるとして裁量労働制の採用が許可されているけど、「本質的にはマックのバイトと同じ」仕事に裁量なんてあるわけがない。

最近では逆に、サービス残業自体を合法化させようという動きが経営者側からあるという。それでもやはり、日本の労働者は暴動も起こさすに働くのだろうか。それともいつかキレるのだろうか。俺は暴れる元気があったら、日本を脱出して北欧にでも行きたいっすね。日本に対して、何の愛着もないというのが問題だな・・・。

「美しい国」の前に、「貧しくない国」だろ。

濃淡をつける

俺の欠点は、融通が利かないところ。本を読むときにも、最初の1文字から最後の1文字まで目を通さないと気持ちが悪い。飛ばし読みができないのよね。飛ばしたところに何か重要なことが書いてあったら・・・と思うと。

でも、これは非常に効率が悪いことを自覚している。全部に目を通したって、全部を記憶しておくことなんてできないのだから・・・。80対20の法則に従うと、重要な20%を読むことで、全体の80%を押さえることができるはず。

結局、濃淡をつけることが重要なのだ。優先度をつけると言い換えてもいいかもしれない。頭がいい人、仕事が出来る人は、濃淡をつけることができる人だと思う。人間の記憶力も時間も限られている以上、優劣の差は、対象の絞り込みで生じるはず。

まぁ、性格的なもんだからなかなか直せないんだけどね・・・。

スタバとニートと私

休日のスタバは、カップルばかりでチョォォォォォうざい(はい、僻みです)。そんななか、俺以外にも一人で来てる男性客を発見。リュックサックにもっさい格好

同志発見!

俺のアンテナがそう告げる。俺と同じで家にひきこもっていればいいのに、なんとなく人恋しくなって来ちゃったに違いない。彼の隣の席が空いていたので、俺はそこに座って読書を始めた。

彼もしばらくは読書をしていたのだけど、2杯目のキャラメルマキアートを注文したのと同時に、リュックからごそごそと何かを取り出した。そしておもむろにピコピコと・・・

ニンテンドーDSかよ!





いかん、いかんよ同志よ・・・。チュルルルルゥ・・・ボンッて、なんか音してるし!周囲のカップル達から冷たい視線が注がれているのにも気づかず、彼はピコピコと集中している。なんか痛々しくなって俺が耐えられなくなり、スタバを逃げるように後にした。

世間とのズレに気づかないニート(確度90%)の恐さ。俺も、自分で気付いていないだけでズレまくってるんだろうなと、暗い気持ちになった。

『「分かりやすい表現」の技術』藤沢晃治

スキルアップという言葉を聞いたときにIT業界で働く僕が連想するのは、仕事に直結するIT技術(知識)を身につけることだったりする。でも、本当に大切なスキルというのは、こうした専門的で瑣末なスキルではなく、「読む」・「書く」・「話す」だと思っている。

この本『「分かりやすい表現」の技術』は、上記3つのスキルのうち、「書く」・「話す」のスキルアップに絶大な効果を発揮すると思う。本の内容は、身の回りにあるマニュアルや道路標識などの「分かりにくい表現」とその改善例を提示し、分かりやすい表現のために何に気をつけるべきかを明らかにする。例を見たり読んだりしているだけでおもしろい。

巻末には「分かりやすい表現」のための16のルールが整理されていて、非常に便利。今勉強しているWindows Serverのルールなんかを覚えるよりも、この16のルールを完全に覚えた方が、よっぽど人生にプラスになると思う。表現の基本は、ルール1の「おもてなしの心を持て」、これに尽きますね。

ちなみに「読む」スキルアップのためには、同じ著者の「理解する技術」もおすすめです。ただ、この本ほどのインパクトはない。

「上機嫌の作法」 齋藤孝

人当たりよくならなきゃなぁと思っていたので上機嫌の作法(齋藤孝)」を読んだ。ニートの多くがそうだと思うけど、俺も不機嫌が常態化している。寝不足だと完全にダメっすね。月曜の朝なんかは「俺に話しかけるな」オーラがでてます。

俺は自分の殻に閉じこもるタイプだけど、不機嫌に閉じこもっていると気分はどんどん鬱になってくる。傍から見ていても、不機嫌な奴って鬱陶しいだけだし、あまりメリットはない。どうせなら上機嫌で殻にこもりたいもんです。笑顔で拒絶、みたいな。

著者は上機嫌でいることは技化できると断言する。訓練しだいとのこと。そのためのメソッドとしてハイタッチや拍手を薦めているのだが、正直「イェーイ!イエェーイ!」とハイタッチをして盛り上がってる連中なんか見た日にゃぁ、余計に不機嫌になっちゃうよ・・・。なんつーか、生理的な嫌悪感がある。いや、むしろそういった輪に加われずに過ごしてきた歳月が育んだ「妬み」というべきか。自分の中に蓄積された負の感情は、ハイタッチなんかで霧散しねー。

でも、不機嫌なときこそ笑顔でいるっつうのは効果あるらしいですよ。心が顔に表れるのと同じように、顔が心をコントロールもするらしい。作り笑いでも、笑うことで免疫力が上がるという研究結果もある。

みんながみんな、ハイテンションで上機嫌な社会ってのも気持ち悪いなと思う。高倉健みたいな寡黙な男もいないと。

思うに、不機嫌も上機嫌も、結局は人生に対する姿勢の違いなんだろう。自分はどういった姿勢で人生に対するのか。鬱屈した気分で、ひきこもって人生に対するのか。それとも、にこやかにハイテンションで人生に対するのか。前者は楽だけど碌なもんじゃないってのは体験済みなので、別の姿勢をとりたいなと思う。いきなりハイテンションは絶対無理だけど・・・。

SE(元ニート)のキャリアパス

帰宅途中に書店に寄ったら、勝つDBエンジニアのキャリアパスという本が目に留まった。DBエンジニアじゃないけど、手にとって読んでみたら結構興味深かった。 DBエンジニアのキャリアパスとしては、以下のようなキャリアパスが考えられるという。

■DBスペシャリスト、基盤スペシャリスト
スペシャリスト職は、技術をとことん究める職種。他の職種に比べて、要求されるコミュニケーション力のレベルは低そうで、元ニートの僕には魅力的な職種に思える。ただ、とてつもない能力が必要だし、「専門バカ」になって潰しがきかないというデメリットがある。

■コンサルタント
コンサルタントは顧客の抱える課題を解決する仕事。チームではなく単独で仕事ができるという点が魅力的だ。ただ、技術以外のビジネスの業務知識が必要だし、コミュニケーション力やプレゼンテーション力、ドキュメント作成能力がないとお話にならない。何より、人脈、人脈、人脈!話相手すらいない俺がどうやったらコンサルになれるというのか・・・。

■プロジェクトマネージャ
プロジェクトマネージャはプロジェクトの管理や各方面との調整が仕事。自分が参加しているプロジェクトのプロマネの仕事を見ていてもとても大変そうだ。「逃げずに責任を持つ」ことが必要だという。逃げ続けてニートになり、就職した後も逃げて2回も転職してる自分には絶対に無理だな。

■ライン管理者
ライン管理者は「部長」とかの管理職。お金や人の管理をするのが仕事。上司を見ていても、お金の管理は大変そうだ。常に採算や売り上げ目標の達成を考えなければならない。「人を育てる」ことも必要だという。これまた自分には無理な職種だ。


こうやって見てみると、なれそうな職種、なりたい職種がない。最初にも書いたけど、できたら僕は単なる一作業員として現場で手を動かしていたい。でも、40才、50才になってもそれができるのか?と考えてみると、できそうにない。能力的な問題ではなく、周りがそれを許さないようなところがある。

でも、どうしてIT系は無理なんだろう。電気工事士とかだと、40才、50才でも現場の第一線で働いている人は普通にいるのに。高い給料を払って現場の一作業員の仕事しかできないんじゃ、会社にとっては割に合わないということだろうか。でも、今は年功序列も崩れてきていて、歳がいってるから高給をもらえるというわけではないよね。給料は今ぐらいでいいから、40才、50才になっても現場で働いていたいという人はいっぱいいるんじゃないだろうか。

適性がないのに管理職にさせられたりプロマネにさせられたりというのが、一番不幸になりそうな気がする。

自分の適性は何だろう。
自分にできることは何だろう。
自分は本当は何がしたいのだろう。

働いている今も、よくわかんないっすね。社会に出てから遭遇した、ほとんどのことが自分には向いてないってことがわかっただけで・・・。

高卒の英語学習法

僕の英語学習方法をご紹介。高卒でも、これでTOEIC 880まで行けるのは実証済みです。

英文を読めるようになりたい!というのが一番の動機だったので、英会話よりもReadingに重点を置いた学習になっています。ただ、Readingは全ての基礎だと思うので、ここに力を入れるのは正しいはず。

■文法対策
中学、高校生向けの基本的な参考書で、五文型とか過去分詞とかの文法の基礎を押さえる。
総合英語Forest」はカラーで、とてもわかりやすいと思う。


総合英語Forest 7th Edition

桐原書店
売り上げランキング: 1,060



あと、TOEICの文法問題対策として、「TOEICテスト文法頻出600問」などの文法問題集で文法のパターンを覚えました。僕達が日本語を話すときにも、いちいち文法なんて考えていない。蓄積された膨大な文例のパターンから、適切なものを選んでいるだけだ。間違った文法の英文を読んで、なんか変・・・と思えるようになることが目標。


TOEICテスト文法頻出600問
鹿野 晴夫
中経出版
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■単語・熟語
DUO 3.0」の例文を繰り返し音読する。僕は2.0の頃から愛用してます。例文の文法構造を意識しながら音読し、不明なところは文法書で確認すると文法力の向上にもつながると思う。

DUO 3.0
鈴木 陽一
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DUO 3.0 / CD復習用は必須だと思う。発音のわからない単語はなかなか覚えられない。CDには基礎用もあるけど、復習用CDがあれば十分です。


DUO 3.0 / CD復習用
鈴木 陽一
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■読解・リスニング
最初の頃はVOA Newsをよく読んでいました。音声付の記事があるのが最大の特徴。英文を読みながら耳で確認できるというのは、とても勉強になる。センテンスの切れ目など、英語のリズムを身に着けることができたと思います。英文を読むときには、上記の文法頻出600問にも書いてあるスラッシュリーディングを意識しましょう。

VOA Newsは政治のニュースばかりで、あまりTOEIC対策にはならない。そこで、BBC News | Businessも読むようにしています。BBC NewsはPodcasでも聴いているけど、まだ僕には難しい。

正直、英単語を覚えたり、文法の勉強をするのは退屈だ。でも、英語ニュースを読むと世界の「今」を知ることができるので楽しい。僕の場合は適当に読んでるから、記事の7〜8割程度の内容を理解しているにすぎないけど、それでいいかなと思ってます。


■辞書
語彙力をつけるにはマメに辞書を引くのが大事、というのは昔からよく言われている。ただし、辞書を引くのって面倒くさい・・・。なので、僕は以下の単語翻訳ソフトを使っている。

超辞典 研究社 リーダーズ英和辞典 第2版
クロスランゲージ (2009-02-06)
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リーダーズ英和辞典は27万語と、収録語数が多いのが特徴。わからない単語の上にマウスを置くだけでポップアップで訳がでてくるので、気軽に辞書を引くことができる。ただ、超辞典のリーダーズ英和辞典はネイティブ発音は収録していないので、発音を確認したい人はジーニアス版がよいかも。

英英辞典を使いたい人には、ロングマン現代英英辞典がおすすめです。収録語数も20万語以上あるので、調べようと思った単語は大体ヒットするし、ネイティブ発音も収録されている。





外出時や洋書を読むときには、以下の電子辞書を使っている。高価だけど、非常にコンパクトなわりには文字も打ちやすい。

セイコーインスツル 電子辞書G6シリーズ SR-G6100NH2
セイコーインスツル (2011-11-22)
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あとは、
英辞朗も併用している。英辞朗は訳が充実していて文例も豊富。英文を書くときに重宝します。


■多読
英語力向上にかなり効果があったのが、多読です。英語学習の基本は、とにかく量をこなすということに尽きると思う。自分が興味のある分野や、前提知識を持っている分野の洋書であれば、割と読めるもんです。とっかかりとしてはビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本シリーズがよかったです。

ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本
向山 淳子 向山 貴彦 studio ET CETRA たかしまてつを
幻冬舎
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わからないところは大胆に飛ばして読んでも、筋さえ追えれば、結構楽しめます。最近は、iPhone版のKindleでビジネス書の洋書を読んでます。

職歴なしで就ける職種

高卒、26才、職歴なしが就職しようと思ったとき、どんな職業に就けるのか。あまり選択肢はないように思える。当時僕に想像できたのは、

・IT系
・建築作業員
・飛び込み営業
・家電量販店の販売員
・工場のライン工

ぐらいだった。実際にはもっといろいろな職種が考えられるのだろうけど、僕の貧困な知識と想像力ではこんなものだった。これらの職種は、「間口の広そうな職種」というイメージがあったのだ。僕の場合は、たまたまやりたい仕事がIT系だったので迷わずIT系に応募することにしたのだけど、そのとき消去法で考えてもIT系だったと思う。

まず、ガテン系は体力も根性もないから無理。飛び込み営業はモロ体育会系というイメージがあったし、人と雑談すらまともにできない自分には到底無理。家電量販店の販売員は、電化製品やPCが好きな自分に向いていそうな気もしたけど、こちらもモロ体育会系らしいので無理。実際、面接を受けにいった31才無職中卒の知人(当時)は、面接官のあまりの態度の悪さにあきれたそうだ。となると、後はIT系か工場のライン工しかない。

工場のライン工は定時で帰れるイメージがあって、仕事は単調そうだけど魅力的に思えた。逆にIT系は連日深夜まで残業というイメージがあった(実際、1社目も2社目もそうだった)。それでもIT系に魅力を感じていたのは、単にスーツ姿に憧れていたのだ。作業服じゃなくスーツを着たい!と思っていた(開発系だとスーツ着なかったりするけど)。

本屋で薄汚れた制服を着てアルバイトをしていた頃、同い年ぐらいの男性が仕事帰りにスーツで本を買いにくるたび、劣等感を感じていた。スーツ姿が正社員の象徴のように思えて、何とも眩しく見えたのだ(スーツコンプレックスというやつですね)。だから、いつかは自分も・・・と思っていた。スーツ着て4年目の今ともなると、感激も何もなくて暑苦しいだけだけど。

あとは、しょーもない理由だけど、空調の効いたオフィスで働きたかった。自分、めっちゃ汗かきなもんで。これは、今でも正解だったと思う。夏は涼しく、冬は暖かい環境で仕事ができるというのは有難い。ときには、サーバルームという極寒の環境に閉じ込められることもあるけど。

2ちゃんを見ていると、職歴なしの人で事務職希望の人は多いように思う。僕と同じで「スーツを着て空調の効いたオフィスで働きたい」というのが理由なんじゃないかと、勝手に想像している。でも、男で事務職は難しそうです。女性でもなかなか事務職に就けないらしいし、そもそも事務職自体が派遣にシフトしていっている。現に、うちの会社でも常駐先の会社でも、事務職は派遣の女性がやっている。経理とかの特殊な経験や資格があれば別かもしれないけど。

何も、求人が少なく競争率も激しい事務職に応募しなくてもIT系でいいじゃん・・・と思うのは、僕が既にIT業界の毒に犯された人間だからだろうか・・・。

面接対策について

最初の会社を受けたときには特に面接対策はしなかったけれど、今の会社を受けたときには、転職紹介会社で模擬面接をしてもらった。模擬面接なのに緊張してしまい、冬なのにダラダラと大量の汗をかいたのを覚えている。

模擬面接はかなり役に立った。回答の内容だけでなく、話し方や話すときの目線なども指摘してくれて。また、その会社でよく聞かれる質問なんかも事前に教えてくれた。転職紹介会社の利用は無料なので、申し込んでみたらいいと思う。僕が就職活動をはじめた3年前は「正社員歴3年以上」という要件があったけど、今は特に要件はないようです。

面接はある程度質問が決まりきっているので、事前に回答を準備しておいた方がいい。職歴なしだと正攻法でいっても難しいので、僕だったら適当に虚実織り交ぜて回答しますね。

たとえば、僕は本屋でのアルバイト経験を最大限に生かすため、「人と関わる接客業が好きで・・・」とやたらにアピールしたことを覚えている。IT業界は内向的な人が多そうなので、ちょっとでも外交的な自分をアピールした方が採用されやすいと思ったのだ。実際は倉庫にこもって返品処理したりエロ本読んだりしてたわけですが・・・。

どれだけ準備していても想定していなかった質問というのは必ず投げかけられる。そのときにオドオドしたり完全に黙り込んだりするのではなく、しばらく考えてから、相手の目をみて思いついたことをハキハキ答えたらいいと思う。面接担当者は回答内容よりも、回答するときの声の大きさや話し方、目線の動きなどを重視しているように思える。

面接では質疑応答だけでなく、自己アピールで1,2分喋らされることもある(僕はこれが大の苦手だ)。これなんかは完全に、話しているときの挙動が不審じゃないかを観察する目的ですね。自己アピール対策は、事前に喋る内容を準備して、実際に声をだして練習するしかない。

ちなみに、僕は極度のあがり症です。大勢の人の前にたつと、本当に膝がガクガクと震えるぐらい。今年の2月に面接を受けに行ったときも、受付で担当者を呼び出すための内線をかけたときにはすでに手がブルブル震えていた。情けない・・・。ただ、面接は座って対面なので、震えはかなり抑えられるので助かっている。

あと重要なのは「見た目」ですね。「人は見た目が9割」という本があるぐらい、見た目は重要。僕は6年間もニートしていただけあって、完全にオタクのひきこもりですけど、見た目は普通の一般人を装うことができる。また、人付き合いが嫌いな根暗だけど、面接のときだけは明るくさわやかな好青年を演じることができる。実際、採用された後に、面接担当者だった人から「もっと明るくてお喋りな人だと思っていたのに・・・」と言われたことがある。面接の数十分だけ、別人格を演じられたらそれで勝ちなのだ。

服装、髪型には気を遣おう。このへんに無関心だと、ニートだとばれやすい。髪は短めでさっぱりした感じに。スーツ、シャツ、ネクタイ、靴。このへんは「ザ・スーパースーツストア」や「パーフェクトスーツファクトリー」で買うと、そこそこ安くで今の若者向けのデザインのものが買える。店員に一式選んでもらったら楽チンだ。シャツは白系が無難です。時計は安っぽいプラスチック系のデジタル時計をするぐらいならはめない。靴下は黒。間違っても白はだめ。

姿勢や挙措も大事。背筋は伸ばして座る。貧乏ゆすりをしない。体を揺らさない。顎をひきすぎて下から覗き込むように見ない。相手の目をみて話す。声は普段より大きめで(僕はボソボソ喋りがちなので、普段から何度も聞き返されますが・・・)。面接官のおもしろくないギャグには自然な感じで微笑(僕はよく笑顔がひきつりますが・・・)。

これだけできたらバッチリでしょ。本屋にいけば面接マニュアル本や社会人マナー本は腐るほどあるので、適当に立ち読みすることをおすすめします。

記憶力

脳神経科学の立場から書かれた記憶力に関する本を読んだ。
衝撃の事実をいろいろと知った。
たとえば、ゲンコツで軽く頭をたたくだけで、脳細胞が数千個は死滅するそうだ。
気をつけねば・・・。

歳をとると記憶力が衰えるというのは嘘だと書いてあった。
記憶力が落ちたように思うのは、学生の頃のように勉強したり暗記したりといった、脳に負荷をかけることをしなくなるのが原因だそうだ。

そういえば、僕も6年間のニート生活によって相当記憶力が衰えたと思う。
脳に一切負荷をかけず、毎日部屋に閉じこもって刺激のない生活を送っていたからだろう。
アルバイトを始めたときには、つり銭の渡し間違いで5千円の誤差を出したりして怒られていた。
軽い若年性痴呆症のような状態だったと思う。

働きはじめてからはだいぶ改善したけれど、やはりボケボケなのには変わりない。
今、英語や資格の勉強をしているのは、このリハリビの意味もある。
現在ニートの人は気を付けないと、本当に若年性痴呆症になりかねない。
脳をもっと酷使しないと。

ちなみに、アルバイトを始めた最初の数日は、ただ立っていただけで足が筋肉痛になったことを覚えている。
ニート生活によって、脳だけでなく筋肉も相当衰えていたのだ。
怖いです。

就職保証の講座

就職できなかったら受講料を全額(年齢によっては半額)返還するというのをウリにしているスクールがある。
規約を読んでみた。

スクールや人材派遣会社が紹介した以下の条件の企業の入社試験を5回以上断るか、内定を2回以上辞退したら、就職保証の権利を放棄したことになるんだって。

・コンピュータ関連業種(いわゆるIT業界)への就業、もしくは一般企業でも、コンピュータ関連業務への就業
-->めちゃめちゃアバウトだ。ただのキーパンチャーでもあてはまるのでは・・・。

・給与が概ね1ヶ月最低賃金170,000円以上(額面)
 -->安すぎ!100万円の講座を受講して、こんな給料で働きたくないってば。

そもそも、ろくでもない企業や職種ばかり紹介されたら、5回ぐらいすぐ辞退しちゃいますよね。
無職や失業者の弱みにつけこんでるようで、腹が立つ。